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2007年5月21日 (月)

誕生

とりあえず無事に生まれました。元気な男の子です。3145gでした。後日また出産に際して考えたことなどをアップできればと思います。P1050254

EMS2-4:安全管理など

Dscn1097 パイロットの方々はとても経験が豊富で、レジデントにヘリコプター同乗の際の知識を色々と教えてくれます。

地図の読み方有視界飛行中の他の航空機の見つけ方、高い塔を地図でどう発見するかなどなどなど。

また万が一墜落したときにどのようにサバイブするかということもかなり強調されています。冬場にどのようにシェルターを作って暖をとるか、携帯用GPS表示機の使い方、三つの炎は助けを求めるユニバーサルサインなどいろいろなことを学びました。

機内にある無線機です。あらかじめよくいく病院がプリセットされてあります。機内のクルー同士の会話はモーションセンシティブで自Dscn1095_1 動に拾ってくれます。離発着時の会話は禁止されています。

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私がヘリに乗っている月に他の施設で墜落して生存したフライトナースの方を招いてどのように安全な飛行を続けるかというセミナーも開かれていました。また墜落して家族失った方も講演をしていました。可能性はかなり低いことではありますが、万が一に備えて地上での管理も、安全のための知識確認・トレーニングも色々と心を配っている様子がわかります。

また医療面でも器材に不備がないこと・プロトコールのコピーが機内にあり直ぐに確認でき迷えば病院と無線で話して意見を求められることなどとにかく安全管理に細かく配慮がされています。

医療にお金がかかる米国であればこそ可能なお金のかかった重装備の医療搬送システムなのだと改めて思いました。

2007年5月20日 (日)

EMS3:救急車・消防車

写真ばかりですが、折角とったので掲載します。EMSではヘリ・救急車・消防車での同乗実習がありますが最後の消防車です。

私の住む田舎町では前にも書いたかもしれませんが消防士の方々はみなさんBasicEMTであり日本の救命士の装備に近いものとAEDをもっています。彼らは火災関連にも医療関連の双方に対応します。日本でもそうですが、火災対応よりも医療対応の出動がはるかに多いそうです。

P1050154911の連絡が司令室に入るとポンプ車と救急車の双方が現場にむかいます。CPRなど人手が必要な場合は現場に引き続いて救急車にドライバーとして(パラメディック二人が医療行為に集中できるように)またはCPRの一員として参加します。

ポンプ車の中には交通事故で大破した車を壊すための簡単な用具が 入っています。

EMS2-3:ヘリコプター内部

Dscn1075 ヘリにはパイロットに加えて看護師二人もしくは看護師一人・パラメディック一人という組み合わせになります。

フライトナースになるためにはICUやERでの経験の後に各施設にて決められたオリエンテーション(ACLS・PALSや手技を学ぶラボの経験とフライトに同乗しての経験など)が必要とのことです。

医師が同乗することとお彼らコメディカルによる搬送でアウトカムに差はないと力説していました。このあたりも合理性の国だなあと改めて感じます。

http://flightnurse.case.edu/templates/index.htm

何でも学位にしてしまう米国ならではですがフライトナースの修士のコースもあるようです。パラメディックは病院間搬送なども多いため

critical careの経験とトレーニングが必要となりコースを受けるそうです。

(参考)http://ehs.umbc.edu/CE/CCEMT-P/

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Dscn1080_1 機内は思ったよりも広いです。もちろん(患者さんを二人同時に運んだ)日本で乗った自衛隊のヘリよりは小さいですが。このヘリでは二人まで同時に運ぶことができます。モニター・人工呼吸器も含め二つ常時搭載しています。

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日本でもおなじみの搬送用のトーマスバッグにはこれでもかというくらい色々な機器・薬剤が詰まっています。挿管用のチューブは小児から大人までもちろんブレードもMAC1から4までそろっています。

Dscn1090_1 毎日シフトの初めに点検して補充をしています。またパラメディックの持っているバッグと同様に、輪状甲状間幕切開のキット、胸くうドレーンのキットも入っています。

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Dscn1086 外傷に備えてO-の血液を常に携行しています。また病院外Vfで自己心拍再開した人のためにアイスパックというのでしょうか(ホッカイロの冷たい版)も携行しています。

2007年5月17日 (木)

ブジー

Geb ときくと何だろう?食道を広げるやつか?と思うかもしれません。麻酔や救急の医師はああ、intubating stylet=Gum Elastic Bougieのことか、、と思うのだと思います。

気管内挿管という行為は乱暴に言えば「穴に管を入れる」行為であるため、若くて予備能ある患者さんにコントロールされた環境でやるならばそれほど難しい医療行為ではないと思います。

しかし、解剖学的に難しい人たちの場合は別問題です。こちらにいると日本では想像できないような体格の人に結構出会います。

Arytenoid 今日遭遇した目撃された心配停止(Vf)の患者さんも180kgで大分厳しかったです。MAC4で挑戦してブジーを使ってやっと入りました。披裂部(arytenoid)しか見えず角度が合わないため挿管チューブではなくブジーを選択しました。挿管すると気管輪をカカカと触れる感じがあって安心しました。

http://www.airwaycam.com/eartosternal.aspx

このページにあるように胸骨切痕と耳朶を結んだ線が地面と平行になるように思いっきりシーツなどを重ねて準備するのが理想ですが実際みんな焦ってしまってなかなか準備させてくれません。

(麻酔などコントロールされた状況ではよくやります。)

日本では内くうが狭くなった挿管チューブの入れ替えなどに使いました。ストレスが減ってとても安心したのを覚えています。熱傷の人などは物凄い量の輸液をするので挿管チューブの入れ替えが必要な場合は大きなストレスでしたので。

2007年5月14日 (月)

EMS2-2:司令室

P1050110 病院の地下室にヘリコプターと救急車の司令室があります。司令室で働く人たちはEMTの資格をとってからさらに講義を受けて働くようになるそうです。

私の働く施設の所有する三機のヘリコプターへの指令に加えて隣の州の二つのヘリコプターの指令も行っていて計5機のヘリコプターの発進指令・GPSを使っての位置確認や誘導を行っています。

また、Autolaunchという試みがあってヘリコプターにて直ぐにいける範囲内で外傷が起こると地上の救急隊の要請がなくても自動的に発進して現場にむかうということもやっています。

ERの外傷の初療をするところでは救急医・外傷外科医が待ち構えていますがそのポケベル(trauma pager)に端的に情報を提供するのもこの人たちです。

外傷のレベル・年齢・メカニズム・バイタル・気道の情報(挿管など)・GCS・到着予想時間(ETA)が端的に伝えられます。

外傷のレベルは私の施設独自の基準があってバイタルサイン・GCSなどとメカニズムによって主にレベル1-3に分類されます。(レベル1一番重症。)

P1050111 同じ部屋の反対側には救急車の司令室があります。やはりヘリコプターと同様私の住む町でなく、大分離れた町の救急隊の指令もしています。いったことのない町の指令をするのは結構難しそうですが、電子化された地図があるので大分便利そうでした。(大体救急隊はその町の地図がなくてもわかるくらいなので道案内的な問題はあまりないようですが。)

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ERマガジンで同様の報告を徳島三好病院の上山先生がさらに詳しくされている先生の記事がありますのでご興味のある方はご覧になられてはと思います。

Book ERマガジン (Vol.3No.5(2006年10月号))

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2007年5月 6日 (日)

小児救急:失敗から学ぶ

 昨年カスペというひどい番組をみていたら、「子供を心配で救急に連れて行ったらなんと研修医だった」というフレーズがありました。確かに患者さんの立場からみればおっしゃるとおりと思いました。

 十分な小児のトレーニングを受けていない研修医に小児救急の単独診療をさせる病院もあるかとは思いますが、(小児救急に限らず大人の徒歩来院の救急であっても)安全管理体制に問題があるかと感じます。(電話報告だけというのも危険な場合があります。やはり自分で診てみないとわからないときがあるのです。私は研修医の先生のバックアップをするときはあきらかな風邪などを除いてなるべく自己紹介と簡単な診察をするようにしていました。)

名だたる研修病院でも単独診療を可能にしている病院では研修医の見逃し症例による訴訟などがよく報告されます。

 日本の行政を含めて徒歩来院する患者さんは軽症だという強い思いこみがありますが、間違っていると思います。もちろん統計的にいえば徒歩来院の人は軽症が多いのですが、その数字にだけにとらわれてはいけません。風邪が10名続く中で髄膜炎を見逃さないようにするのは、実は救急車で頭痛・発熱で運ばれてくる人から髄膜炎を見逃さないよりもはるかに難しいからです。

 以前にも書きましたが小児救急において大事なのはもちろん患者さんの全体的な印象なのですが、そこにしかフォーカスをおかないと多くの過ちを犯しかねません。今の施設の小児救急部長の先生が20年近く診療してきた中で体験した見逃し症例を元に講義をしてくれる機会がありました。2歳未満児の虫垂炎・嘔吐のみの虐待・発熱嘔吐のみで帰宅時にはアイスを食べられた児の髄膜炎などでした。どれもなかなか診断が難しそうなケースです。自分の苦しんだ体験を次の世代のためにシェアしてくれる彼を尊敬しました。

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小児救急のおとし穴 Book 小児救急のおとし穴

著者:市川 光太郎
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やはり小児救急は難しいなあと家で悶々としていると昔買ったのによんだことのない本が出てきました。著者の先生のとてつもなく豊富な臨床経験から出てくるさまざまな症例や考察に唸りました。とってもすごい本です。

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 最新の文献を読んで知識をアップデートするのも大事なですが、安全管理の視点から見逃し症例から一生懸命勉強すること、失敗を流したままにせずMandMでしっかりと検証し次につなげることの重要性を強く感じます。(時に矢面に立たされると辛いですが)

 同僚の失敗を聞いて明日はわが身と思い謙虚に勉強する気持ちを忘れないようにしたいと思います。(同僚の失敗を「私ならやらない」という発言をする医師の診療は危険な印象があります。私の尊敬する臨床医の多くは火が広まらないように未然に手を打とうとする人が多いです。)

なんだかいつもどおりまとまらない文章で失礼しました。

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