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2007年12月30日 (日)

手の外科2:屈筋腱鞘炎・ひょう疽

ひょう疽

http://merckmanual.banyu.co.jp/cgi-bin/disphtml.cgi?c=%BB%D8+%A4%D2%A4%E7%A4%A6%E1%D4&url=05/s061.html#x34

英語ではfelonといいますね。爪周囲炎(paronychia)と混同されやすいですが。ドレナージの仕方が違います。

よくある手の障害とのことですが、毎日みるようなものではないと思います。昨日友人がやっていたのでご紹介します。

http://www.aafp.org/afp/20031201/2167.html

ドレナージの仕方は片側から末節骨にあたらないように平行にするのがいいと我々は教えられています。上のaafpのものでは指の腹の中央からというのもありますが、指腹腔の隔壁が垂直であるためそれを横に切る必要があるため脇からのアプローチが好まれるのその理由です。解剖の図をみると良くわかると思います。

このAAFPのまとめは非常によいですね。紹介されている疾患の中にある屈筋腱鞘炎(flexor tenosynovitis)のKnavel signも有名ですね。

http://merckmanual.banyu.co.jp/cgi-bin/disphtml.cgi?c=%E7%A7%BE%E4%A4%CE%B4%B6%C0%F7&url=05/s061.html#x36

Pain with passive motion

Fusiform swelling

Fixed in flexion

Pain along tendon sheath

腱鞘を伝わって膿が近位側におよびそして馬蹄形の膿瘍を形成しさらにはじめに感染していなかった指の遠位に及びうるドレナージが不可欠な疾患ですね。この前手背の点滴の後になぜか屈筋の腱鞘炎になった患者さんを診ました。

私の働く救急部では患者の許可が得られると教育的症例のミニレクチャーと診察がリアルタイムで手短に行われます。なかなか良い制度です。

2007年12月29日 (土)

大動脈瘤

隣の州の小さな町の病院から

「失神・貧血で入院している女性の腹部に拍動性の腫瘤を触れるので大動脈瘤からの出血と思われるので紹介したい」

http://blog.so-net.ne.jp/case-report-by-ERP/20070930

という情報が指導医に入る。既に血圧が低いため超音波やCTはやっていないとのこと。(米国は日本のようにベッドサイドで超音波をやる医師も少ないし放射線からの締め付けであまり許されていない。救急医は別ですが。)

吹雪のため頼みのヘリコプターは出動できず2時間かけて救急車で来院とのこと。輸血のてはずを整えて待つ。血管外科レジデントにも連絡し彼も救急外来に降りてきてETA(到着時間)を確認し初療に居合わせる打ち合わせをする。

搬送中から輸血されながら来院。引き続き輸血を継続。初めの血圧脈拍は安定していて6cmの大動脈瘤を超音波で確認。来院して二回目の血圧が収縮期60台となり鎖骨下より大量輸液用の8.5Frで血管を直ぐに追加確保しLEVEL1で輸液。

http://www.smiths-medical.com/catalog/fluid-warming/fast-flow/hardware/level-1-h-1200.html

血圧はかろうじて収縮期90-100血管外科のレジデントとフェローはCTを希望。我々は手術室直行を主張。結局外科チームの希望が通る。CT後いったんERへという彼らを説得し直接手術室にいってもらう。20分後亡くなったときく。

もし直接手術室にいっていても確かに難しかった気もする。いずれにせよ。本当に救急疾患でした。

2007年12月27日 (木)

冬にイベントが多いのは

きっと寒い冬に何か楽しみを見出さないとやっていけないからなのでしょうね。そんなことを同僚と昨日はなしていたら指導医の先生が子供の頃好きだった絵本に「クリスマスのない冬なんて...」という発言があったなあといっていました。

同じような感想はどこでもあるのでしょうね。日本の方が年末年始のイベントは米国よりも多い気がしますね。いろんなところで忘年会もしますもんね。

昨日はクリスマスということで無料の七面鳥料理が食堂でふるまわれましたこのあたりが米国らしいですね。

ブログを一年間読んでいただきました皆様ありがとうございました。皆様が素敵な新しい一年をお迎えになることを心よりお祈りいたします。

ブログ主 拝

2007年12月17日 (月)

チーム医療 長時間労働への一つの対策

友人のブログへのコメントです。

現実的な対策はチーム医療をすることです。日本でも直ぐに可能です。東京時代の総合内科でも沖縄時代の救急でも下記を提案実行に移されました。指導医1人後期研修医2人研修医2人というチームを作る。回診を毎日一緒にしてお互いの患者の面談をできるくらい把握。週末は交代交代でカバー夏休みなどもお互いにカバー。当直明けも直ぐに帰れます。夜間は米国同様にサインアウトして当直へ。
(日本の場合はこれが難しいでしょうね。なんてたって当直医が少ないですし。)
日本は全員で24時間365オンコールかつ毎週末病院へという方法が多い気がしますが、チームで互いにカバーしあいメリハリのついた生活をしたほうがいいと思います。

2007年12月11日 (火)

手の外科

今月は救急部に戻っています。やっぱり居心地が大分いいですね。昨日は準夜の勤務でしたが、頻脈・胸痛・脳卒中・ショック・腸管虚血・薬物過量摂取などなどバラエティに富んだ症例を診ました。

ありきたりの症例の中に学ぶべきことが結構あってまた勉強になります。一緒に働くレジデントが救急のレジデントだと本当にスムーズに仕事が進みます。手技をするにもお互い勝手がわかって助け合えるので実に楽でした。

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さて、もう先月になってしまったのですが手の外科のローテーションをしたので少し触れます。日本でも手の外科の専門の先生は多いと伺っています。こちらの手の外科の図書室に「手の外科」という日本の雑誌が結構おいてあって「誰が読むのだろう」と思うことがありました。日本からも外来や手術に結構見学にくる先生が多いようです。いろんな分野でなんだか有名な田舎の施設ですね、ここは。

私の主な日々のスケジュールは救急外来からのコンサルトをメインに空いた時間に手術室や外来にいくという感じでした。

主に多いのは転位したとう骨遠位端骨折、爪床裂傷、転位した中節骨・基節骨・中手骨、腱滑膜炎、母指MP関節尺側側副靭帯損傷、舟状骨骨折などの手根骨骨折などでした。

役立った本を幾つかご紹介します。

Rosen三分冊を二年目の初めにもらったので手の外科の章を斜め読みしました。かつてamazon.co.jpにリンクがあったのですが今はなぜかオンラインのものしかありません。

ISBN13で9780323028455でハードカバーのものが注文できるはずです。

Book Rosen's Emergency Medicine: Concepts and Clincial Practice / Online Editon

著者:John A. Marx,Robert S., M.D. Hockberger,Ron M., M.D. Walls
販売元:Mosby-Year Book
Amazon.co.jpで詳細を確認する

オンライン版でも...という勇者の方には上記ですが値段もハードカバーの倍くらいするみたいのなので、amazon.comなどで買った方が現実的な気がします。(なぜかamazon.comでもハードカバーの方は出てきませんでした??)

以前にもご紹介した

Accident & Emergency Radiology: A Survival Guide Book Accident & Emergency Radiology: A Survival Guide

著者:Nigel Raby,Laurence Berman,Gerald De Lacey
販売元:W B Saunders Co
Amazon.co.jpで詳細を確認する

シンプルかつわかりやすく手-肘の骨折など上肢のX線の解説をしてくれています。肘のfat pad signやradiocapitellar lineから始まってCRITOL、手根骨の覚え方、C-R-Lのラインなど勉強どころ満載です。こんなにわかりやすくて内容のある本を作ったこの著者の人は本当に凄いですね。

Fracture Management for Primary Care (Fracture Management for Primary Care) Book Fracture Management for Primary Care (Fracture Management for Primary Care)

著者:M. Patricia, M.D. Eiff,Robert L., M.D. Hatch,Walter L., M.D. Calmbach,Marian K. Higgins
販売元:W B Saunders Co
Amazon.co.jpで詳細を確認する

この本も助かる本です。各種骨折にどのようなシーネをするかというのがごく簡単にまとめてありまたどのタイミングで整形外科にコンサルトするかもわかりやすいです。ちょっと本の構成がみにくいところがあるのが玉に傷でしょうか。

colles骨折の整復の図など非常にわかりやすくてたすかりました。日本では感染の危険や他のブロックを使用した方が良いということであまり行われないようですが、hematoma blockをしてから整復を何度かしました。関節内に及ぶことが多く高齢者で他の要因で手術できな人を除き最終的に手術になる人が多かったです。しかし腫脹の激しい急性期の手術を避けて時間を稼げるという意味で救急医にとってできて損のない手技と理解しています。

Book カラー写真でみる!骨折・脱臼・捻挫―画像診断の進め方と整復・固定のコツ (ビジュアル基本手技)

販売元:羊土社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

上記の本よりも日本語でわかりやすくという方には上記がお勧めです。いろいろと良い本があって臨床研修必修化は良い影響もありますね。

2007年12月10日 (月)

旅行記4

ボストンも宿探しの末に比較的よいところにたどり着きました。

http://www.copleyhouse.com/

この地域いったいが新しいビルなどが多く安全で便利なところでした。二部屋で結構ひろくキッチンもあったためとても便利でした。

夕食はボストン大学に以前勤めていた救急医の先生と一緒に地元のバーベーキューに、アメリカらしい料理を満喫したのですが途中で子供が泣き出してしまい途中で帰りました。

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ボストン二日目は私のプログラムの卒業生を訪ねてハーバード関連の病院の救急部へ。

目的はシミュレーションセンターの見学。

http://stratus.partners.org/

今のプログラムのシミュレーション教育も大分いいのですが、他の施設と比べることも結構勉強になります。

手技を中心としたシミュレーションの機会が私のプログラムよりも結構多いこと。気道管理のいろいろな機器があってそれに対する抵抗感が少なくなるようにトレーニングを受けられること。

http://www.laerdal.co.jp/document.asp?subnodeid=15679660

このソフトウェアを使った学習を結構やっているとのこと。かなり良くできたものでした。日本でも販売されているのですね。

高いマネキンが買えなくてもこれならシミュレーションでの教育が可能だろうなあと思いました。

ディレクターの先生と話していて一番印象に残ったのは

「全世界からシミュレーションセンターを作ろうと見学に来る。一番の過ちは高額なシミュレーターを買ってそれで満足してしまうこと。実際はどのようなカリキュラムで運用するかその機器やセンターをどのように管理するかというソフト部分でそこにお金を賭けるべきである。」

という彼の言葉、自分も同意見であったので納得しました。

我々のプログラムも二人の先生が中心となって実に膨大な時間をかけて毎回のケースを練っています。

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気がつけば旅行してからもう一ヶ月が過ぎてしまいました。つい最近はボルチモアにいったのでそこでの経験もまた後に触れたいと思います。

2007年12月 1日 (土)

NTMC

ご訪問いただきありがとうございます。今日は完全に私的な内容で申し訳ありません。恐らく殆どいらっしゃらないと思いますが、目黒の東が丘にある国立病院にて研修された先生がおりましたらプロフィールにある私のアドレスまでメールをいただけませんでしょうか。
メーリングリストを作って研修されて卒業された先生のご登録を募集しております。もしご興味がありましたら御連絡頂ければと存じます。

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