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2008年1月 9日 (水)

失神2

失神の続きです。

問診上大事なのは、、、

どんな状況で起きたのか?状況性失神に関して、目撃者から実は痙攣ではないかったか?など、前駆症状があったのか、めまいから数分して?、胸痛・腹痛・呼吸困難・頭痛・神経症状などを聞く。実際の失神の様子突然意識を失って、直ぐに回復したのか?結構回復に時間がかかったのか?頭はうっていないか?なでしょうか。

もちろん虚血性心疾患・心不全・貧血・糖尿病・神経疾患などを含めた既往歴聴取も大事ですよね。地味に肺塞栓のリスクファクターも抑えておけると良かったりしますね。結構みんな心臓関係に集中して忘れがちです。(という私も良く忘れます。)

薬剤もαブロッカーとか結構問題児がいますよね。

来院と同時に、バイタル確認、十二誘導、静脈確保、心電図モニター装着が必要ですが、両側のとう骨動脈触診・胸部腹部を鑑別診断を頭にいれながら自分なりのチェックリストに従って診察する必要がありますね。

病歴聴取と身体診察は、鑑別診断があってさらに自分の中にあるていどのアルゴリズムがないとそれほど簡潔にもならないし効率的でないですね。

ということでアルゴリズムを紹介

http://www.annals.org/cgi/content/full/126/12/989/F1

http://www.annals.org/cgi/content/full/126/12/989

この論文は有名ですね。ただ実際問題高齢者の排便・排尿に関わった失神で状況性と決め付けたりして実は肺塞栓だったり心筋梗塞が最近あってその後のタンポナーデだったりとか結構非典型例があるので気をつけないとドツボにはまることはあると思います。

内科と救急の論文の失神に関する違いは救急医の場合はどんな人がハイリスクかということにより重点をおいているところな気もします。実際問題としては老人の失神はそれが迷走神経関連・状況性失神などが疑われても入院してモニターされているのが私の施設の状況です。入院するなら心エコーやった方がいいのだろうなあと思います。

http://www.mdcalc.com/sfsyncope

上記は有名なSan Francisco Syncope Ruleです。

欧州からのOESIL scoreも大事ですよね。

OESIL risk score
項目(各1ポイント)
65歳以上
既往歴で心疾患
前駆症状なし
心電図異常
死亡率
1ポイント: 0.8%
2ポイント: 19.6%
3ポイント: 34.7%
4ポイント: 57.1%
一年後の死亡率を出したものですね。上記二つは結構かぶる項目もありますね。

今回失神について友人に質問したらローカルな資料ではあるようですがよいものをご紹介いただいたのでこちらでもご紹介します。

http://nycardiologypathways.org/self.htm

いろんなことを結構ざっくばらんに話せる友人は大切な財産ですね。

Tさんどうもありがとうございます。

結局いろいろと書きましたがまとまり欠けますね。こんなあたりが失神の悩ましい主訴たるところと思います。MRIを取ったりとか、病歴をちょっとすっとばし過ぎて鑑別診断が欠けたりとかで、高額な検査が適応以上にオーダーされたり、致死的鑑別診断が入院後に判明して冷や汗をかくようなことが減ればと思います。

そういえば顔面頭部外傷で救急外来を受診する患者は要注意と思います。たまに傷だけ縫って何で転んだのかが聞かれず失神が見逃される場合があるからです。

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コメント

突然のコメントを失礼致します。
誠に勝手ながらいつも先生のブログを読ませて頂いております。とても勉強になります。
有り難うございます。

日本のとある下町でER専従医として働いているものです。
失神は本当によく来院されます。原因不明がほとんどです・・・。しかし先日、失神でみえた方が肺塞栓があった症例を経験しました。先生のご指摘のように肺塞栓は失神の原因として教科書にも書いてあります。
しかしなぜ肺塞栓で失神が起きるのでしょうか。
もし何かご存知であれば教えて頂ければと思います。
突然、図々しい質問で申し訳ございません。

piroさん
コメントありがとうございます。病態生理の苦手なダメレジデントな私ですが、推測です。末梢からの血栓が血流にのって肺循環に入って肺動脈を部分的に閉塞し副次的に肺静脈からの左室に流れ込む血流が急速に減少すれば脳への血流も一時的に減少失神がおこってもおかしくないとおもいます。
ダメレジデントの想像ににすぎません。正解は成書に書いてあったり偉い先生がご存じであったりするのだと思います。

失神は本当に悩ましいですね。いくら循環器にこれは危険な失神と説明しても響かないことが多かったのを覚えています。じっさい、入院させても何も引っかかってこないことが多いのも事実です。これに関しては失神Unitや失神外来というものができたら少しは楽になるのですかね?

失神で怖いなと思ったのはSAHのSentinel LeakやAAA切迫破裂です。これらは典型的には痛みを伴いますが、失神のため痛みを感じず、意識が戻ったときには痛みが消失しているケースは非常に恐ろしいですね。失神にはCTは一般的には必要ないですが、どんな時に必要かは考える必要があると思いました。

失神にしても意識障害にしてもER医の腕の見せ所ですね。やはり多岐にまたがる鑑別を考えながら診療を勧めることはER医や総合医の強みです。失神は悩ましい症状でありながらER医が先頭に立って挑む症状なのでしょうね。

大須からの愛さん
いつもコメントありがとうございます。大須さんもよくERで働かれるのですね。実は私お会いしたことがあったりしますか?
失神は原因がすぱっとわかることは少ないですが、致死的疾患が隠れているので一例一例襟を正して診療しないといけないなあと思っています。

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