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2008年1月15日 (火)

雑誌の連載終了

DOCTOR'S MAGAZINE(ドクターズマガジン)という雑誌に連載させてもらったシリーズが終了しました。日本で医師として働いたあと米国で救急の研修をしているものの立場から米国における救急医学の卒後教育の様子を報告しました。

2007年9月号から2008年2月号にかけて一番最後に申し訳なさそうに載せてもらっています。もしご興味があればご覧いただけますと幸いです。

短い文章でしたし、月に一回と頻度もそうでもなく割りと好き放題かかせていただいので幸せでした。月に一度締め切りが来るというのは意外とプレッシャーで連載終了して少しほっとしています。

またどこかで機会をいただければ文章を書きたいな後おもっていますが、毎年冬は恒例のように厳しいローテーションと試験勉強となっているので春に向けて耐える日々を過ごそうと思います。

2008年1月 9日 (水)

失神2

失神の続きです。

問診上大事なのは、、、

どんな状況で起きたのか?状況性失神に関して、目撃者から実は痙攣ではないかったか?など、前駆症状があったのか、めまいから数分して?、胸痛・腹痛・呼吸困難・頭痛・神経症状などを聞く。実際の失神の様子突然意識を失って、直ぐに回復したのか?結構回復に時間がかかったのか?頭はうっていないか?なでしょうか。

もちろん虚血性心疾患・心不全・貧血・糖尿病・神経疾患などを含めた既往歴聴取も大事ですよね。地味に肺塞栓のリスクファクターも抑えておけると良かったりしますね。結構みんな心臓関係に集中して忘れがちです。(という私も良く忘れます。)

薬剤もαブロッカーとか結構問題児がいますよね。

来院と同時に、バイタル確認、十二誘導、静脈確保、心電図モニター装着が必要ですが、両側のとう骨動脈触診・胸部腹部を鑑別診断を頭にいれながら自分なりのチェックリストに従って診察する必要がありますね。

病歴聴取と身体診察は、鑑別診断があってさらに自分の中にあるていどのアルゴリズムがないとそれほど簡潔にもならないし効率的でないですね。

ということでアルゴリズムを紹介

http://www.annals.org/cgi/content/full/126/12/989/F1

http://www.annals.org/cgi/content/full/126/12/989

この論文は有名ですね。ただ実際問題高齢者の排便・排尿に関わった失神で状況性と決め付けたりして実は肺塞栓だったり心筋梗塞が最近あってその後のタンポナーデだったりとか結構非典型例があるので気をつけないとドツボにはまることはあると思います。

内科と救急の論文の失神に関する違いは救急医の場合はどんな人がハイリスクかということにより重点をおいているところな気もします。実際問題としては老人の失神はそれが迷走神経関連・状況性失神などが疑われても入院してモニターされているのが私の施設の状況です。入院するなら心エコーやった方がいいのだろうなあと思います。

http://www.mdcalc.com/sfsyncope

上記は有名なSan Francisco Syncope Ruleです。

欧州からのOESIL scoreも大事ですよね。

OESIL risk score
項目(各1ポイント)
65歳以上
既往歴で心疾患
前駆症状なし
心電図異常
死亡率
1ポイント: 0.8%
2ポイント: 19.6%
3ポイント: 34.7%
4ポイント: 57.1%
一年後の死亡率を出したものですね。上記二つは結構かぶる項目もありますね。

今回失神について友人に質問したらローカルな資料ではあるようですがよいものをご紹介いただいたのでこちらでもご紹介します。

http://nycardiologypathways.org/self.htm

いろんなことを結構ざっくばらんに話せる友人は大切な財産ですね。

Tさんどうもありがとうございます。

結局いろいろと書きましたがまとまり欠けますね。こんなあたりが失神の悩ましい主訴たるところと思います。MRIを取ったりとか、病歴をちょっとすっとばし過ぎて鑑別診断が欠けたりとかで、高額な検査が適応以上にオーダーされたり、致死的鑑別診断が入院後に判明して冷や汗をかくようなことが減ればと思います。

そういえば顔面頭部外傷で救急外来を受診する患者は要注意と思います。たまに傷だけ縫って何で転んだのかが聞かれず失神が見逃される場合があるからです。

2008年1月 6日 (日)

失神1 悩ましい主訴

失神は悩ましい主訴です。特に日本にいたときはそう思っていました。今もそう思いますが、自分で入院を見なくていいのでなんだか拍子抜けです。(日本に帰ったら救急外来の経過観察室でモニターしながら様子見て、循環器の先生もしくは技師さんの手の空いたと時に心エコーをしてもらうという感じになりそうですね。自分でもやるでしょうが、素人エコーの限界もあると思います。)

なぜなら循環器科の先生に入院を担当していただくことがとても難しいからです。(もちろん電気生理学的検査が必要なケースは別ですが)。そして一見大丈夫そうに見えるケースで物凄い緊急疾患が隠れていたりして救急外来で働く救急医ならだれしも痛い思いをする主訴だからです。

また、非常に頻度多いにもかかわらず原因がわかるときは結構すくなくて、得てして多くの検査がたくさん行われることがあります。

以下のゴロは有名ですね。SYNCOPEの順番です。

*Situational: 状況性(排便・排尿・キツイシャツ・咳など)

*Vasovagal: VがYに似ているとのこと

*Neurogenic: TIAは両側の脳循環が同時に遮断されない限り失神は起こさないはずですが、日本でも米国でも失神の鑑別にTIAを入れたがる人は多いですね。個人的にはSAHを疑う頭痛があるときに頭部CTをとるようにしています。先輩の素晴らしいブログ参照。

H=hypoxemia and hypoglycemia 低酸素、低血糖
E=epilepsy てんかん
A=anxiety 不安神経症
D=dysfunctional brain stem, vertebrobasilar ischemia, subarachnoid hemorrhage 脳幹機能不全、椎骨脳底動脈領域の虚血、くも膜下出血というゴロも使われるみたいですね。

*Cardiac: HEARTというゴロを更に使う人もいますね。

-Heart attack

-Embolism

-Aortic dissection

-Rythm disturbance

-Tacharrythmias

*Orthostatic hypotension

循環血液量低下であったり、薬剤性であったり、副腎不全、自律神経異常、糖尿病による神経障害など意外と結構ありますね。また循環血液量低下とさらっといってもさらにその中に子宮外妊娠があったり(若い女性の失神でHCGははずせませんね。)・大動脈瘤の切迫破裂・肝癌の破裂など血管系のイベントも入ってしまうので実は結構落とし穴です。

*Psychiatric: 除外診断ですね

*Everything else: なんだそりゃ、って感じですが英語のゴロによくありますね。

2008年1月 2日 (水)

謹賀新年

旧年中はおせわになりました 。今年もどうぞよろしくお願いいたします。

今年は渡米3年目を迎える年であり、今後フェローシップをするか、するならどこで何をなどいろいろと煮詰めていければと思っています。いずれにせよ、学ぶべきものを学びよい医療を提供し家族とともに健康でいられたらと思います。自分の幸福を自ら見失うことのないように欲に溺れず地に足をついた生き方をしたいものです。

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