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2008年8月 8日 (金)

RRT:8月その1

皆様RRTってご存知でしょうか。

RT(呼吸療法士)みたいですが違います。Rapid response teamのことです。

米国では患者のバイタルサインに異常があって担当医師が忙しかったり連絡して反応しない場合看護師が患者の安全のためにrapid response teamというチームを呼ぶというシ
ステムが作られつつあります。(多くのメジャーな医療施設ではすでに導入されています。)このチームのことをRapid response teamといいます。

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日本の研修を思い出しても「呼吸不全で数時間以内に恐らく挿管が必要」という病態に患者陥ったとすると

「患者→看護師」

(すぐに医者を呼ぶのがすべての場合と限らない。特に夜間で他の重症患者がいると40名ー50名を2名でみながら重症になりつつある患者を的確に把握できるかは難しい。)

「看護師→研修医」

(主担当研修医がすぐ患者を診に来るタイプとは限らない。当直研修医を呼ぶのか主担当の研修医を呼ぶのか病院のルールが決まっていない。すぐに指導医に連絡するタイプと限らない。)

「研修医→指導医」

(指導医が電話すぐ取るタイプと限らない。とってもすぐ病院に来るタイプと限らない。来てもすぐ決断できるタイプと限らない。)

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RRTのシステムは上記をバイパスして看護師がICUチームを呼ぶ権利とそして目安をもって患者の安全のために行動するものです。非常に理にかなっていると思います。

具体的な基準は施設によって違いますが

・看護師が患者の病態について心配なとき

・頻呼吸もしくは徐呼吸

・頻脈もしくは除脈

・急性かつ持続する酸素飽和度低下

・急性かつ持続する低血圧

・虚血を示唆する胸痛

・脳卒中を示唆する症状

・せん妄を含む意識障害

心肺停止になる患者の多くは何か危険なバイタルサインがその前にあることが多く医師にそのような患者のICUにいくべきかを委ねるだけでなく看護師がICUチームを呼ぶ権利を持つことで結局心肺停止が防がれると考え方と理解しています。実際に統計上の差もあるようです。患者の安全を考える国ならではの合理的なシステムと思っています

難点は米国のICUはすでに満床気味なのに患者を受け入れる場所は?

ICUチームが頻繁に呼ばれてICUの患者は大丈夫?

という点でしょうか。後者については5分以内にICUに運ぶかそれとも病棟でそのまま見れるかの判断をすることがRRTの使命であり、すぐにICUに戻ってくるのが通常です。

RRTの基準はERからのICU入院の基準にも良く使われます。

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