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2009年3月17日 (火)

中毒3 尿検査 トライエージ?

原因不明の意識障害、中毒にて尿による検査(私が日本でよく使っていたのはトライエージ)をして診断を、、、、というのは日本でも米国でもあると思います。

これにはいくつかの大きな落とし穴があります。

1.もし陽性があったとすると実は他に原因があるにもかかわらず鑑別診断の早期閉鎖が起こりうる。(ティアニー先生もよくおっしゃりますが、鑑別診断の早期閉鎖は誤診のもと。)

2.陰性だった場合も中毒でないと思い込んでしまう可能性もあります。実際は尿のスクリーニングによって除外できる中毒物質は氷山の一角で「量が中毒にする」わけですからなんでも毒になりえます。そして下記で触れるように多くの偽陰性もありえます。

2.陽性だった場合、「診断はこれだ!!」と思いそうですが物質によって特異度が違うわけで擬陽性となる物質はたくさんあります。
有名なの風邪薬→エフェドリン(麻黄などに含まれる)やで覚醒剤(アンフェタミン)
ザンタック→アンフェタミン
咳止め→デキストロメタファン、ジヒドロコデインで麻薬OPIが陽性
麻薬においてはオキシコンチンなど新しいものの感度は低いので偽陰性の可能性が
ベンゾ→偽陰性が多く良く見逃す
PCP→擬陽性多い
大麻THC→非常に正確
バルビツレート→正確だが過量摂取されることが少ない
コカイン→非常に正確

このサイトが非常にまとまっているので御参照されてはいかがと思います。

中毒というと採血してUDSして胃洗浄・活性炭というのは色々と問題があるということがお分かりいただけましたでしょうか。コカインやバルビツレートを除いて、多くの場合は血清にて確認検査をすることが米国では勧められています。(日本の臨床検査には米国ほどお金がかけられるシステムでないため日本ではほぼ無理な話ですね。それゆえに尿による検査の乱用は臨床現場の混乱を招きかねません。)

中毒においてはtoxidrome(中毒による症状)を大事にすること、どの薬を、どれくらいの量をいつ、というのが大事で家の人にゴミ箱を調べて空き袋を持ってきてもらったりすることが上記のアプローチより有用と思います。

中毒の専門家になるほど検査や無駄な治療が減って、素人ほど尿検査や無駄な治療をするというのが米国での傾向です。日本もそうなのでしょうきっと。

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